KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

レセプション・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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レセプション・ドレス

1881年頃

デザイナー
シャルル=フレデリック・ウォルト
ブランド
ウォルト
レーベル
WORTH 7, RUE DE LA PAIX. PARIS
素材・形状特徴
ベージュにブルー、ピンクなどでストライプと小花柄を織り出した絹紋織。スカートはピンク色の絹サテン、共布のボウと絹レース飾り付き。ボディスとスカートのツーピース。トレーンはウエストからの長さ175cm、幅約133㎝、絹レースのダスト・ラッフル付き。
収蔵品番号
AC902 78-25-14AB

ドレープとタックによってたっぷりと使用されたテキスタイルによって、後ろ腰にボリュームのあるバッスル・スタイルのドレス。後姿が1つのチャームポイントであり、床に引きずるトレーン(引き裾)はレースのダスト・ラッフル付き。ダスト・ラッフルは、長いドレスやペティコートのヘムの内側に付けたラッフルのことで、戸外を歩く際にドレスが汚れないように取り付けられた。長いトレーンがドレスをより華やかに演出し、公式の宴にふさわしい格調の高さを示している。
19世紀後半、上流の社交界では服装における厳格な作法が定められていた。特に女性は、時間帯と場所によって1日に7、8回もの着替えが要求された。当時のファッション誌には、「レセプション・ドレス」や 「アフタヌーン・ドレス」などと仕分けられて、最新のドレスの流行が紹介されている。これは、当時の女性用衣服がいかに細分化されていたのかを物語っている。

1870s-1880s