KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ヴィジット

© The Kyoto Costume Institute, photo by Taishi Hirokawa

画像にマウスカーソルを乗せると拡大します。

ヴィジット

1870年代末 - 製作国不詳

素材・形状特徴
インド製カシミア。衿、打ち合わせ、袖、裾に絹糸のフリンジ。
収蔵品番号
AC4843 84-18-3

当時流行のカシミア・ショール製ヴィジット。ヴィジットは19世紀後期のコートの一種。赤を経糸に赤、紫、青、黒、緑、白などおよそ10色の緯糸を用いた綾織りで特有の柄が織り出されたショールは、白いボーダー柄と、フリンジが効果的なアクセントとなって、バッスル・スタイル用ヴィジットに仕立てられている。
インド原産のカシミア・ショールは19世紀前半にヨーロッパで大流行し、フランスではリヨンで織物による精巧なフランス製カシミア・ショールが生産された。後半には、ショールとしての使用だけではなく、コートや室内着に仕立てられ、室内装飾用として使われた。しかし世紀末には流行の衰退と共にカシミア・ショール産業も消滅した。

1870s-1880s