KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

舞踏会用ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Richard Haughton

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舞踏会用ドレス

1888年頃

デザイナー
不詳
ブランド
ルフ
レーベル
Rouff Paris
素材・形状特徴
ペール・グリーンの絹サテンに銀糸とシークイン刺繍。ツーピース・ドレス。トレーン部分は金色の植物柄の絹ブロケード。
収蔵品番号
AC7068 92-5-3AB

トレーン部分に使用された重厚な絹ブロケードに織り出された葉模様は、シダか芭蕉にも見え、日本趣味を感じさせる。このモチーフはリヨン歴史染織美術館が所蔵している日本製テキスタイルと類似し、これを参考にしてリヨンで製作された可能性が大きい。19世紀後半、パリ・オートクチュールの素材を一手に生産していたリヨンの絹織物業者は、新たなデザイン・ソースとして当時流行のジャポニスムに視線を向けていた。
1880年代後半、バッスルは縮小し、ドレス全体が簡潔なシルエットになっていく。スカートの後ろ腰はバッスル・スタイルの名残を残しつつも、極端なフォルムは姿を消し、シンプルなラインへ変化していった。

1870s-1880s