KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ドレス

1874年頃

デザイナー
シャルル=フレデリック・ウォルト
ブランド
ウォルト
レーベル
WORTH 7, RUE DE LA PAIX.
素材・形状特徴
紫と薄紫の絹ファイユのツーピース・ドレス。衿ぐりと袖口に絹レース。胸元と袖口に紫のベルベットのボー。エプロン型のオーバースカート前面には紫の絹糸のフリンジ。スカート前面裾に、共布と紫のベルベットを交互に三段重ねたフラウンス飾り。
収蔵品番号
AC9167 94-35AB

後ろ腰のたっぷりとした膨らみと扇状にひろがるトレーンは、クリノリン・スタイルからバッスル・スタイルへ移行した直後のスタイルである。
鮮やかな紫は、1856年に開発された化学染料、アニリンによって流行した。流行の要素を素早く引き上げて顧客たちを満足させたウォルトらしい作品である。
本品の作者、シャルル=フレデリック・ウォルト(1825-1895)はイギリス出身。1858年、パリでメゾンを設立した。マヌカンに着装させた新作の発表形式や、社交界のファッション・リーダー格の顧客の確保とそれに伴う巧みな広告戦略など、彼は後に「オートクチュール」と呼ばれることになるファッション・システムの基盤をつくり、19世紀後期のパリ・ファッションの地位を確立した。

1870s-1880s