KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

バッスル

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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バッスル

1870年代 - 製作国不詳

素材・形状特徴
茶色の綿サテン、15本のスチール・ワイヤー・ボーン(内部に調節用のレーシング)、後裾にプリーツ加工を施した茶色のシルク・タフタのフラウンス
収蔵品番号
AC347 77-12-61

本品は、スカートを内側から支えるための下着である。ペチコートの後ろ半分に15本のスチール・ワイヤー・ボーンを曲げて水平に配置している。内部のレーシングを引き締めてボーンの彎曲に強弱をつけることによって、上に着用するドレスのシルエットに応じたボリュームの調節が可能になっている。
1870年から80年代を通してバッスルBustle(仏:トゥーニュールTournure)スタイルが流行する。後ろ腰にボリュームをだす為に考案されたバッスルは、様々な形状で登場した。とりわけ、70年代には本品のようなスカート型のバッスルが多かった。スチール・ワイヤー・ボーンを骨組としてスカートを膨らませるクリノリンの原理を利用し、骨組は後ろのみに残した、クリノレットとも呼ばれたバッスルである。 この他に、KCIデジタル・アーカイブス内の収蔵品AC3157 80-8-47にみられるようなウエストにベルトで固定するバッスルも存在した。

1870s-1880s