KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ドレス

1987年春夏

デザイナー
ジャン=ポール・ゴルチエ
ブランド
ジャン=ポール・ゴルチエ
レーベル
Jean-Paul GAULTIER pour GIBO
素材・形状特徴
赤い絹サテン、ナイロン、ライクラの交織のワンピース・ドレス。脇から後身頃はナイロン・エラスティックの透かし編み。
収蔵品番号
AC5640 87-24-3

オール・イン・ワンの裾が引き伸ばされたようなドレス。見えないものだった下着を活動的で開放的な現代女性の服として再生させ、1980年代のボディ・コンシャスなファッションを力強く牽引したゴルチエらしい作品である。
1976年にパリでデビューしたゴルチエは、簡素化するファッションの大きな流れの中で、ストリート・ファッションに現れた下着の表層化という現象を素早くとらえ、80年代初期からコルセット、ブラジャーなど、さまざまな下着を表着に変換した。歌手のマドンナはゴルチエの下着ファッションで女性性を殊更に強調し、良識に真っ向から対抗するように歌った。ゴルチエが先陣を切った下着の表着化は、90年代以降、大きな流行へと発展し、普遍化していった。

1980s