KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ボディス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ボディス

1988年秋冬

デザイナー
クリスチャン・ラクロワ
ブランド
クリスチャン・ラクロワ
レーベル
CHRISTIAN LACROIX
素材・形状特徴
ダーク・ブラウンの絹ファイユ。身頃にボーン、衿には針金が挿入されている。
収蔵品番号
AC6890 90-47-1A

彫刻のようなボディス。ボーンの入ったタイトな身頃から、針金入りの大きな衿が大胆にドラマチックに立ち上がっている。大きな肩と立体的な構成を特徴とした1980年代の様式に則った、ラクロワのオートクチュール作品である。
伝統回帰が鮮明になった80年代、ラクロワは87年、LVMHの傘下において、パリでオートクチュールのメゾンを設立。大学で美術史を専攻した彼は、18世紀のドレスや19世紀後期のバッスル・スタイルなど、奔放な造形性をもつ歴史的な衣装をポストモダン感覚の現代服として大胆にアレンジして沈滞していたオートクチュール界に新風を吹き込み、88年からはプレタポルテも手掛けて注目された。しかし2005年、LVMH社はラクロワ・ブランドを売却し、09年、ラクロワはオートクチュール、プレタポルテから撤退した。

1980s