KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Taishi Hirokawa

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ドレス

1983年秋冬

デザイナー
カール・ラガーフェルド
ブランド
クロエ
レーベル
Chloé
素材・形状特徴
赤と黒のアセテート・バックサテンのドレス。シャワーのモチーフをビーズ、ラインストーンで刺繍。黒いクレープ・デシンのスカートは裾にビーズ刺繍。
収蔵品番号
AC5309 1986-60-13AB

ラインストーンの刺繍により、勢いよく水の飛び出るシャワーがドレスの前面に描き出され、そのホースはさらに後ろに回り込んで、左袖に巻き付いている。1963年から84年までクロエのデザイナーを務めたカール・ラガーフェルドのユーモアに富んだ遊び心が窺える作品。
装飾的な柄をデザインするのではなく、服をキャンバスに見立てて自由に絵を描くような手法には、シュルレアリスム的な作風を得意としたエルザ・スキャパレリからの影響が窺われる。1980年代以降、ファッションとアートの境界を超えるような作品が増加したが、ここにもその方向性を見ることができるだろう。

1980s