KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

イヴニング・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

画像にマウスカーソルを乗せると拡大します。

イヴニング・ドレス

1910-11年

デザイナー
ポール・ポワレ
ブランド
ポール・ポワレ
レーベル
PAUL POIRET
素材・形状特徴
ベージュの絹サテンのワンピース・ドレス。絹チュールのオーバードレスに多色のビーズと金糸で花の刺繍。金チュールのペプラム付き。
収蔵品番号
AC2388 79-20

東洋風のこのドレスには、折衷主義的なポワレの特徴が強く表れている。シルエットは身体を無理に締め付けず、ゆったりとしている。
まだS字型シルエットのドレスが圧倒的な人気を誇っていた1906年、ポワレはコルセットを使わないハイ・ウエストのドレスを発表した。彼は、人工的な形態と過剰な装飾の19世紀のドレスから、自然な体の美しさを押し出した革新的な服へとファッションを大きく転換させた。コルセットがすぐに消え去ったわけではなかったが、第一次大戦後になると彼の示した新しい道筋に沿ってコルセットは完全に消えていった。

1910s