KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス「デルフォス」

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ドレス「デルフォス」

1910年代

デザイナー
マリアノ・フォルチュニイ
ブランド
マリアノ・フォルチュニイ
レーベル
MADE IN ITALY FABRIQUÉ EN ITALIE FOR FORTUNY DEPOSE
素材・形状特徴
グリーンの絹サテン。アームホールと脇線に計104個のガラス玉付き。細かく不規則なプリーツ。前後6枚の布を使用。
収蔵品番号
AC3189 80-8-3

1907年頃から制作が始まった「デルフォス」はフォルチュニイの代表作。日本や中国の絹地を用い古代ギリシャ風のドレスに仕立てられた。肩から流れ落ちるプリーツが自然に身体を覆う斬新なフォルムは、それまでの女性服の概念を根底から覆した。全体に施されたプリーツや重りの役目をもつトンボ玉など、構造自体が装飾を兼ねている。
「デルフォス」はコルセットが形作る人工的フォルムではなく自然な身体を際立たせるものであったため、当初は室内着として着用された。丈がたっぷりと長く、トレーンをひくものもあった。

1910s