KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

仮装衣装[左] 仮装衣装[右]

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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仮装衣装[左]
仮装衣装[右]

1914年[左]
1913年[右]

デザイナー
ポール・ポワレ[左]
ポール・ポワレ[右]
ブランド
ポール・ポワレ[左]
ポール・ポワレ[右]
レーベル
PAUL POIRET a PARIS[左]
PAUL POIRET a PARIS[右]
素材・形状特徴
金ラメと紫の絹サテンの男性用ジャケット。模造パールと黒い毛皮の装飾。金ラメの帽子に模造パールと鷲の羽の装飾。[左]
金ラメのハーレム・パンツのドレスに黒い絹ゴーズのオーバードレス。金糸のフリンジ飾り。ベルトは金糸刺繍。[右]
収蔵品番号
AC9330 96-15 [左]
AC9175 94-40-2AB [右]

ポワレの仮装パーティー「千夜二夜」で着られた貴重な作品。一夜のための衣装とはいえ豪華である。男性服は英国人作家、ハロルド・アクトン卿の父で美術コレクターのアーサー・アクトンが着用したもの。ポール・ポワレは20世紀のファッションの方向を決定づけたデザイナーとして知られ、同時に「モードのスルタン」と渾名された。折しもバレエ・リュスなどの影響でオリエンタリスムが流行する中、1911年に催された豪奢な宴「千夜二夜」はアラブの説話集『千夜一夜物語』から想を得ていた。スルタン役のポワレ以下、300名の招待客全員が古代ペルシア風の衣装に身を包み、宴席を盛り上げた。この時ポワレの妻ドゥニーズが着用したフープ・スカートとターバンの組み合わせは大きな話題を呼んだ。後にも彼は度々東洋風のパーティーをひらき、アラビア風仮装服を制作している。

1910s