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京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

宮廷用プレゼンテーション・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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宮廷用プレゼンテーション・ドレス

1914年

デザイナー
ジャン=フィリップ・ウォルト/ジャン=シャルル・ウォルト
ブランド
ウォルト
レーベル
PARIS C. Worth PARIS (dress)
素材・形状特徴
銀ラメの絹タフタ、ペールピンクの絹チュールにシークイン刺繍とラインストーンの装飾、右ウエストに花飾り。アシンメトリーなスカート部。左肩に留めるトレーンは長さ263cm。
収蔵品番号
AC1896 79-1-51A(ドレス)
AC1897 79-1-51B(トレーン)

非対称に膨らんだスカート部が特徴的な、宮廷用プレゼンテーション・ドレス。ドレス本体は銀ラメを用いた絹タフタが使用され、胸元と袖はピンクの絹チュールにシークインやラインストーンの装飾と、右ウエスト部には造花が飾られている。トレーンは、ドレス共布にシークインやラインストーンが装飾された絹チュールを上下に重ね、左肩に留める形式で、長さは263cm。
この宮廷服は、1913-18年に駐英アメリカ大使であったウォルター・ハインズ・ページ(Walter Hines Page) [1855-1918]の妻、ウィリア・アリス・ウィルソン・ペイジ(Willia Alice Wilson Page) [1858-1942]が1914年2月14日にセント・ジェームス宮殿でジョージ5世とメアリー妃に謁見した際に着用した。当時のしきたりに従って、当日は羽根の頭飾り付きのベールも着装された。
ウォルト店は、シャルル・フレデリック・ウォルト [1825-1895]によって1858年にパリに創設され、19世紀パリモードを牽引した。シャルル=フレデリック・ウォルトの没後は2人の息子ガストン=ルシアン(Gaston-Lucien Worth)[1853-1924]とジャン=フィリップ(Jean-Philippe Worth)[1856-1926]が経営とデザインを後継。1910年代からジャン=シャルル(Jean-Charles Worth) [1881-1962]が、叔父であるジャン=フィリップの後継者として参加している。

1910s