KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ヒール

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ヒール

1925年頃 - フランス[左上]
1925年頃 - フランス[右上]
1925年頃 - フランス[左下]
1925年頃 - フランス[右上]

素材・形状特徴
エナメル加工を施した皮革にラインストーン、メタル・ビーズによる装飾。木製。[左上]
セルロイドによる加工を施した皮革にラインストーンによる装飾。木製。[右上]
エナメル加工を施した皮革にラインストーンによる装飾。木製。[左下]
エナメル加工を施した皮革にラインストーンによる装飾。木製。[右下]
寸法
5cm (高さ)[左上]
5cm (高さ)[右上]
5cm (高さ)[左下]
5cm (高さ)[右下]
収蔵品番号
AC7769 93-18-10AB [左上]
AC7767 93-18-8AB [右上]
AC7768 93-18-9AB [左下]
AC7766 93-18-7AB [右下]

俗に「ジュエルド・ヒール」と呼ばれるアール・デコ期のヒール。靴を注文銚えする際のサンプルである。18世紀末から靴に応用されたエナメル加工、1909年に実用化されたベークライト等の樹脂加工で、艶やかな光沢を出している。その上に精緻な手仕事でラインストーンやメタル・ビーズが施され、幾何学的なデザインを見せている。
当時パリでは「ボーティエ(注文靴専門の職人)」がクチュリエたちと贅沢な靴を生み出し、アンドレ・ペルージアなど、靴のデザインにもその名を記すデザイナーが現れた。また1920年代は、西欧の女性が歴史上初めて膝下を露出し、靴の存在はそれまでに比べて重視されることになる。靴は機能性と共に小さな彫刻として歴史上さまざまな造型が登場した。その中で、アール・デコのデザインが反映されたこの時代の靴は、一種のオブジェとも言える特別な魅力を放っている。

1920s