KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

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© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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1925年頃 - フランス

デザイナー
不詳
ブランド
アンリ・ベルトラン社
素材・形状特徴
ピンクの絹サテン地に、黒絹糸・銀糸のリズレと金糸のブロシェによる菊花と萩の葉文様。パターン・リピートはL.100㎝
寸法
L. 296.5×W. 107.5
収蔵品番号
AC11040 2003-33-2

細く長い花弁が乱れながら広がる大輪の菊と、その背後に配された別種の菊と帯状の萩の葉は日本の伝統柄からの引用である。アンリ・ベルトラン[生没年不詳]はフランスのグラン・フレール社で絹織物の見習い職人を経て、1885年にリヨン近郊でアンリ・ベルトラン社を設立した。17世紀にはすでにヨーロッパの織物産業の中心地であったリヨンでは、デザインの芸術性と品質を競い合い、装飾芸術の多様化や文化のグローバルな交流に対する人々のニーズを鋭敏に感じ取り、対応しようと努めた。 本品も伝統的な織技術を用いながらも、当時斬新なデザインと見られたジャポニスムの影響が色濃い。背景地の色が異なる同じデザインのものが、リヨン織物装飾芸術博物館(Inv. 30370)とクリーヴランド美術館(Inv. 2003.42)に収蔵されている。

1920s