KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

イヴニング・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Taishi Hirokaw

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イヴニング・ドレス

1928年夏

デザイナー
ジャンヌ・ランヴァン
ブランド
ジャンヌ・ランヴァン
レーベル
Jeanne Lanvin, PARIS UNIS FRANCE, 15 7, ÉTÉ 1928, 45976
素材・形状特徴
黒い絹タフタのワンピース・ドレス。黒い絹タフタのベルトに赤と金色の絹リボンをストライプ状にアップリケ。
収蔵品番号
AC9291 95-52-1AC

ベルト背面には大きなボウをあしらって着物の帯のような効果を出し、黒、赤、金色の色使いも日本の漆細工を思わせる。1920年代、異国趣味の淵源はロシア、エジプト、南米、中国、日本へと広がった。オートクチュールの老舗ランヴァンは、日本的な色彩やモチーフを積極的に採用した。
ドレスの裾には長短のアクセントを規則的につけ、それによってドレスの裏裾に縫いとめた赤い絹サテンが覗き見える。そこには一面に、幾何学的な模様のステッチが施されている。こうしたステッチは、リボンやレースといった優雅な装飾が時代遅れになり始めた1920年代中頃からランヴァンの作品に現れ、後の1930年代にはメゾンを代表する装飾技法の一つとなった。あえて裏裾に配したステッチがモダンである。

1920s