KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

イヴニング・コート

© The Kyoto Costume Institute, photo by Kazumi Kurigami

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イヴニング・コート

1927年頃

デザイナー
ガブリエル・シャネル
ブランド
シャネル
レーベル
CHANEL
素材・形状特徴
黒と緑のグラデーションに、金糸で菊紋様を織り出したシルク・ジャガード。前明き。共布の長いタイ・カラー付き。後ろ身頃に共布のパネル2枚。カフスは中綿入り。
収蔵品番号
AC9182 94-45

黒から緑へとぼかし染めした、梨地織に似た質感を持つ絹クレープに、金色の繊細な菊文様が織り出されている。漆の技法の一種、梨地を連想させるテキスタイルは、同時にアール・デコの好みと一致し、新鮮なモダニズムをも感じさせる。本品の色違いを所蔵しているメトロポリタン美術館は、中綿が入ったカフスをきものの䘣(ふき)の影響だと見ている。
ガブリエル・シャネル[1883-1971]は1909年に帽子デザイナーとして出発し、10年パリにオートクチュールのメゾンを開店。下着の素材だったジャージーで男性服の要素を取り入れた女性用スーツを作って好評を博した。第一次世界大戦後、21年パリ、カンボン通りに本店を移転。自らが働く女性だったシャネルはそれまでとは激変した、新しい社会の中で生きる自立した女性のスタイルを服に具現化し、機能美にあふれた新しいエレガンスの概念を定着させた。特に過剰な装飾を取り去った「プチット・ローブ・ノワール」は彼女の代名詞となった。第二次大戦中は活動を停止していたが、1954年に復帰し、現代女性のワードローブともいわれる「シャネルスーツ」を広めた。シャネル店は、プレタポルテとともに、現在もオートクチュールを守り続けている。

1920s