KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

室内着

© The Kyoto Costume Institute, photo by Kazumi Kurigami

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室内着

1928年頃

ブランド
ウィーン工房(テキスタイル・デザイン:マティルデ・フレーグル)
レーベル
WIENER WERKSTATTE
素材・形状特徴
黒の羽二重に孔雀柄のプリント「ホビー」。くるみ釦とループによる前明。大ぶりなキモノ袖、きもの風の衿。共布のベルト付き。
収蔵品番号
AC9011 93-47

本品のテキスタイル・デザインは、1916年から31年までウィーン工房Wiener Werkstätteに所属したマティルデ・フレーグル。若松文様を思わせる図案化された孔雀の尾羽が、黒い背景に映えている。コートはウィーン工房モード部門(1911-1931)で製作された。
グズタフ・クリムトが中心となって活動を始めた新しい芸術活動・ウィーン分離派に参加したヨーゼフ・ホフマン、コロマン・モーザーは、1903年、ウィーン工房を創立した。美術と工芸との等価性を唱え、「総合芸術」を提唱したイギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動に影響を受けたものだった。彼らは、家具、工芸品、壁紙、食器、そしてファッションなど日用品のデザインを手がけた。この時日本の美術工芸品は、「総合芸術」の実践と解釈され、製作の重要なインスピレーションの源となった。彼らが製作したテキスタイルには、日本の布地や型紙の影響が色濃く見られる。

1920s