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京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

イヴニング・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Richard Haughton

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イヴニング・ドレス

1924年頃

デザイナー
不詳
ブランド
リバティ商会
レーベル
LIBERTY AND CO. PARIS & LONDON 18656
素材・形状特徴
ラベンダーと銀色ラメによる風景柄のシルク・ジャガード。右腰にビーズ刺繍と、銀糸とビーズのフリンジ飾り付。
収蔵品番号
AC3428 1980-23-6

本品はメタリックな質感、平画的な裁断という1920年代ドレスの典型的な要素を持つイヴニング・ドレス。テキスタイルには、蒔絵を思わせる連山のような柄がボーダー状に織り出されている。
アーサー・L・リバティ(1843-1917)が1875年に開店したリバティ商会(開店当初は「イースト・インディア・ハウス」)は、美術工芸品の他、日本や中国をはじめとする絹地を販売し、とりわけテキスタイルの評判が高かった。1884年には婦人服部門を設立。審美主義運動に基づいたアーティスティック・ガウンは、1889年のパリ万博において好評を博し、翌年1890年から1932年までパリ支店を設けた。
リバティ商会のテキスタイルは、パリの有名デザイナーたちにも採用された。20世紀初頭のファッションを牽引したポール・ポワレも、1903年のメゾン開店当初からリバティ商会のテキスタイルを使用した。本品と同じテキスタイルが、1924年のポワレの作品「Paravent(屏風)」に使われている。

1920s